ネガティブなムードは、状況に問題があることを想起させて、努力を要する論理的かつ分析的な、熟慮型の意思決定プロセスを発動させる傾向が強いと主張しています。一方、ポジティブなムードでは、状況を楽観的に捉えて、努力を要さない連想的かつ経験的な、直観型の意思決定プロセスを用いる傾向が強いといっています。つまり、気分のよいときは、気分が悪いときに比べて、商品をあまり熟慮しないということです。

次に商品・サービスに対する評価に関して、ポジティブ、またはネガティブなムードが与える影響を見てみます。ある研究では、ポジティブなムードの状態にある被験者の方が、ネガティブなムードの状態にある被験者よりも、スニーカーの評価において、高い好感度を持つことが示されました。その理由として、誘発されたムードが商品とは無関係であったにもかかわらず、そのムードは商品から生じたものであると考えてしまう、「感情一致効果」と呼ばれるものであると説明されています。

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