最近、WhatsAppの人気に陰りが見える反面、テレグラムの人気は上昇している。米調査会社のセンサータワー(Sensor Tower)の報告では、テレグラムアプリのユニークダウンロード数は、2018年の9000万件から、2019年には35%増の1億3900万件に増えている。対照的に、WhatsAppのユニークインストール数は減少傾向にあり、2017年の9億8300万件から、2018年には9億3500万件へ、さらに2019年には8億7000万件まで下落した。
WhatsAppと異なり、テレグラムはチャンネル(アカウント)上のフォロワー(サブスクライバー)数に上限を設けていない。そして、米国の大手メディアがいまだテレグラムに公式チャンネル(アカウント)を開設していない一方、たとえばウクライナのような国のジャーナリストたちが、読者とのコミュニケーションにテレグラムを使っていたりする。2016年のスペインの選挙戦では、テレグラムのプラットフォーム上で、各種のボットがニュースの配信にひと役買った。また最近は、招待者限定のチャットグループ機能が使えることから、暗号通貨のヘビーユーザーにとっての安全地帯ともなっている。さらに、昨年香港で勃発した抗議デモの際にも、デモ隊の主要なコミュニケーションツールとして大きな役割を演じた。シグナル(Signal)も秘匿性の高いメッセージアプリとして知られるが、シグナルにしてもテレグラムにしても、中国とロシアから度々サイバー攻撃を受けているという報告にもかかわらず、セキュリティの高さには定評がある。