「ミツバチは実に巧みな戦略をもっています。この戦略によって、ウイルスのように見える小さな分子を互いに分け合えます。そのおかげで免疫がつくのです」と、マカフィーは言う。「これはワクチンのようなものであると考えてもいいでしょう」
この驚くべきシステムについて2019年に発表された研究が明らかにしたことは、ミツバチが巣に隠したゼリーにこの分子を入れ、幼虫にそのゼリーを食べさせて分子を伝えていく方法だ。
ミツバチは、巣の一部をプロポリスと呼ばれる粘着性の樹脂で覆う方法もとっている。古くから抗菌作用があることで知られているプロポリスを巣の入口に塗るので、人間が店舗に入るときに手指消毒剤を使う場合と似た状況になるのだと、マカフィーは指摘する。