ペイパルの創業者のひとりで、シリコンヴァレー屈指のヴェンチャーキャピタリストとして知られるピーター・ティールは、この問題を奇妙な言葉で言い表している。彼は過去に「空飛ぶクルマが欲しかったのに、手に入れたのは140文字だ」と言ったことがある。だが、これを文字通りに受け取ると、フェイスブックの取締役でもあるティールの本質を見誤ることになる。
「競争ではなく独占せよ」と説いてきたティールは、巨大な利益を生み出すのは既存のシステムを破壊するようなアイデアであって、革新的な新型デヴァイスではないことを理解していた。投資家としてのティールに大金を運び込んでくるのは、空飛ぶクルマである必要はない。大量の「いいね!」やコメントさえ付けば、究極的には何でもいいのだ。