夕食休憩で自室で休んでいた二上のところへ長老が行き「大山さんが気の毒だから、ここは一番負けてやってくれ。どっちにしてもタイトルは君のものになるのだから」と説得した。

その長老が、二上にとって意に逆らえない立場の人であった、ということもあって、二上は了解し、第三局は負けた。

棋譜を見ると、たしかに手を緩めた、という感じはあった。

二上にすれば、香を引かなくとも、王将になれればよい、との思いもあった。

それが甘かった。

大山は第四局から連勝し、四勝二敗で勝ってしまった。

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