リチウムは、スマートフォンのリチウムイオンバッテリーに使用されるなど現代の暮らしに欠かせない物質であるほか、躁うつ病患者などに処方される医薬品にも含まれています。

WHOの調べによると、自殺で死亡する人の数は全世界で年間80万人以上に及ぶとのこと。これは、世界のどこかで40秒に1人が自殺している計算となります。

「飲料水に含まれる微量リチウムのレベルが高いと、自殺防止効果が発揮される可能性があり、その水道が提供されている地域社会におけるメンタルヘルスの改善にも期待が持てます」

「リチウムは脳神経細胞の機能や生存に不可欠な神経栄養因子の濃度を高めることが分かってきています。これが確かなら、リチウムには神経保護作用があると考えられます」

2020年3月に公開された日本の研究でも、水道水中に含まれる高濃度のリチウムには自殺予防効果や認知症予防効果がある可能性が示されています。この研究によると、リチウムは水道水だけでなくミネラルウォーターや食物からも摂取可能で、特に煮干しや乾燥ひじき、乾燥わかめ、乾燥昆布といった乾燥海産物に豊富に含まれているとのことです。

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