皆さん、「スピードデート」がどんなものかはご存じですよね。
10人の男性と10人の女性がいて、それぞれ1対1で5分間ずつ話をし、ベルが鳴ったら、別の異性とまた5分間話をする、というイベントです。全員と話し終わったら、「今日会った10人のうち、この4人ともう一度デートしたい」といったリストを作ります。ここで、2つのスピードデートのイベントを想像してください。
1つは男性10人、女性10人のもの。もう1つは男性20人、女性20人です。
さて、参加した女性がもう一度デートしたいと思う男性の数は、前者と後者で変わると思いますか?この問題を考える際、2つのモデルがあります。
1つは、「上位3人ともう一度デートしたい」というふうに、「上位n人」を選ぶモデルです。このモデルでは、10人と会おうが、20人と会おうが、選ばれる男性の数はn人と決まっています。
もう1つのモデルでは、「10点満点評価で8点以上の人ともう一度デートしたい」というふうに、一定の基準を設けて人を選ぶモデルです。理論上は、このモデルを使うと、20人と出会うイベントのときのほうが、10人と出会うときよりも、選ばれる男性の数が2倍になります。
では、実世界ではどうなると思いますか。
女性たちは、「上位n人」モデルを採るのでしょうか。それとも、「一定の基準を上回った人」モデルにするのでしょうか。実はこの点で、男性と女性は大きく異なります。
女性は基本的に「上位n人」のモデルで行動します。出会う人の数が多くなれば、判断が厳しくなり、人数を絞ろうとします。出会う人の数が増えるほど、それに合わせて選ぶ基準も上げるのです。一方、男性は基本的に「基準を上回った人」モデルで行動します。出会う人の数が倍になれば、次にデートしたいと思う人の数も倍になるのです。
私が知る限り、これがデートにおける男女の行動の最大の違いです。