ハーバード大学教授で心理学者のエレン・ランガーは、1970年代の有名な研究で、「なぜなら/~だから」(because)という表現に大きな説得力があることを証明した。

 コピー機の順番を待っている人に「すみません、5枚なのですが、先にコピーを取らせてもらえませんか」と頼むと、60%が「どうぞ」と順番を譲ってくれる。ところが、この要求に理由を付け加えると、承諾率は大幅に上昇する。「すみません、5枚なのですが、急いでいるので、先にコピーを取らせてもらえませんか」といいう聞き方にすると、94%が承諾してくれるのだ。

 興味深いのは、付け足す理由がまったく無意味な場合であっても、この方法が有効なことだ。たとえば、「すみません、5枚なのですが、コピーを取らなければいけないので、先にコピーを取らせてもらえませんか」という頼み方でも、ほぼ同じ割合の人が「どうぞ」と答えている。

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