「タイヤはクルマの寿命までもたない数少ない部品のひとつです」

「何度も交換が必要です。つまり、第一に解決すべき問題は、タイヤをクルマ自体の一部として、どちらかといえば永久的な構造にすることなのです」

グッドイヤーの技術者たちは、たとえるならスティック型のリップクリームのような仕組みを考案した。ホイールの中心に、生物分解可能な液状のコンパウンドを詰めた円筒型の加圧カートリッジを据えるというものだ。

走行距離が長くなってトレッドが摩耗してくると、カートリッジの内部とタイヤの表面の間の圧力差によってコンパウンドが押し出される。コンパウンドは自動的に、ホイールの中心からタイヤの表面まで放射状に伸びる溝からにじみ出て、網目のような構造を通って適切な形状になる。

なお、このシステムではタイヤとホイールの一体化を前提としている。タイヤを金属のホイールに取り付けるのではなく、エアレスタイヤの支持構造を使うかたちだ。こうしてコンパウンドが外気に触れる、すなわちゴムが路面に接すると硬化するので、タイヤがすり減ることはなくなる。

更新情報知らせます はい 不要