2011年から2016年の間で、同社の収益は複利年率平均で87%増加した。利益は94%、キャッシュフローは120%も跳ね上がった。これほど大規模な既存デジタル企業としては、かなり特異な急成長ぶりである。
では、アリババはこれをどうやって達成したのか。同社はオンラインのB2Bマーケットプレイスとして創業し、2003年に個人間eコマースに参入、2004年にテキストメッセ―ジサービスの阿里旺旺(アリワンワン)と、オンライン決済サービスの支付宝(アリペイ)を立ち上げた。
その翌年、消費者にコンテンツおよびウェブサービスを提供する一環として、ヤフー・チャイナを買収するに至った。2008年には、B2Cオンラインモールの天猫(Tmall)を、2009年にクラウドストレージ会社のアリババ・クラウドコンピューティングを立ち上げた。
他にも新事業を次々と始める。2010年には検索エンジン会社のeTao、2011年にはモバイル・オペレーティングシステムを構築したスタートアップの阿里雲(Aliyin)、2013年には物流合弁会社の菜鳥(Cainiao)。2015年に入ると、アリババはスマートフォンメーカーの魅族(Meizu)の株式の過半数を獲得した。