バンクシーは生年月日や本名が不明の覆面アーティストだが、その出身地は英国西部の港湾の都市、ブリストルだとされている。彼の活動は1990年代後半までさかのぼり、現在に至るまでスプレーを用い、ステンシルでデザインされたイメージを世界各地のストリートに非合法に描くことで、社会風刺的なメッセージを発し続けている。
欧米でのバンクシーの人気や知名度については、ハート型の風船に手を伸ばす少女の絵柄を描いた《ガール・ウィズ・バルーン》のシリーズが、2017年に「英国人が好きな芸術作品」ランキングで第1位にも選ばれていることで証明されている。また、《ガール・ウィズ・バルーン》のうちの1点は、18年にサザビーズオークションに出品された《風船と少女》が、約1億5000万円で落札された直後に、バンクシーがあらかじめ仕込んだ細工によって細断され、話題を撒き起こしたことも記憶に新しい。