フェイスブックのCOOを務めるサンドバーグは、その経歴を見ると、まさに理想的な人生を歩んでいるように思えた。ワシントンD.C.で生まれたサンドバーグは、2歳のときにマイアミに移り、マイアミの高校を優等な成績で卒業すると、ハーバード大学に入学して経済学を専攻し、ハーバード大学も優等な成績(summa cum laude)で卒業した。

 卒業後は、ハーバード在学中に研究指導を受け、世界銀行チーフエコノミストとなったローレンス・サマーズ(Lawrence Summers)のリサーチアシスタントとして働いている。それからハーバード・ビジネス・スクールに進学して、MBAを取得した。一時、マッキンゼー・アンド・カンパニーで働くものの、サマーズがクリントン政権下で財務次官、さらに財務長官になると、その間はチーフスタッフとしてサマーズを支えた。

 その後、2001年にグーグルのグローバル・オンライン・セールス担当副社長に就任し、2008年には現職であるフェイスブックCOOに就任した。誰もがうらやむ、順風満帆な人生を歩んできたと言っていいだろう。

 だが突然、人生の悲劇が訪れた。サンドバーグは2004年、デイブ・ゴールドバーグ(Dave Goldberg)と結婚し、二人の子供を授かっていた。2015年、メキシコへの家族旅行のさなか、ゴールドバーグがホテルのジムのルームランナーから落ちて亡くなったのだ。その死因は当初、頭部外傷とされていたが、実際には冠動脈疾患による不整脈が原因であった。

 人生の突然の悲劇にどう向き合って行くべきか。サンドバーグは夫の死から立ち直ろうとする過程で、バネのように元の状態に戻る再起力(レジリエンス)を身につける方法をグラントに相談していた。それが「OPTION B」を考えるきっかけとなったという。

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