まず、スポンサーである花王が電通に広告予算を支払うと、電通のMCプランニング局の通称ギョウスイ(業務推進室)が、電通内の各局(テレビ、新聞、ネット、雑誌)に予算を割り振る。電通は15%のマージンを抜く。
『あるある』は、割り振られた予算が、番組1本あたり1億円。電通の取り分1500万円を抜くと、残りは8500万円だ。『あるある』は全国放送だから、「電波料」として4800万円が抜かれ、各地のFNN系地方局に割り振られる。自分で制作している関テレも500万円を抜く。国から電波をタダ同然で貰いつつ、電波料まで抜き取ってしまう点が、「世界一楽な商売」(『電波利権』著者の池田信夫氏)と言われる所以で、確かに通常のビジネスでは考えられない。
8500万-4800万-500万円=3200万円。これが番組制作費である。このうち、関テレが「プロデューサー費」として55万円とり、3100万円余が下請けの日本テレワークの取り分となる。3100万円はどう配分されるかというと、孫請けの「アジト」という番組制作会社に860万円だけが行く。残り2240万円は、スタジオ経費として、堺正章などのタレント出演料となる。