tumblrは何なんだろう.ブログだとかソーシャルブックマークだとか,今ある言葉で説明しようとすると違和感がある.きっとtumblrはtumblrなんだ.

tumblrを作れなかったクリエイターはいっぱいいると思う.例えばボクが,tumblrの開発に関わっていたとしたら「Friendの Friendを見えるようにしよう」とか,「それぞれのポストをタグで分類できるようにしよう」とか,「コメントを付けられるようにしよう」「トラックバックを打てるようにしよう」とか言い出して,いかにもWebのことをよく知っていますよ的な態度でtumblrをtumblrじゃない既存の概念に落としてしまっていたんじゃないかと思う.これを考えると怖くなる.そうしてできあがったものは,ブログなのかソーシャルブックマークなのかSNSなのかは知らないけれど,とにかく「見たことがあるもの」なんだろう.

エンジニアは楽に実装できてしまうものは,ついつい実装しちゃうんだろうな.これは気をつけなきゃいけない.「引き算の美学」って言葉が凄まじくカッコイイ言葉だってことは分かっていても,体現するのは難しい.これは自分を戒めるエントリだ.

「ブログは面倒臭いけれど,twitter は気楽に使えて好き」という人,「ソーシャルブックマークはよく分からないけれど,tumblr は楽しい」という人.そんな人たちがボクのまわりに現れだしてハッとする.ボクはこれまで手間を惜しまずに色んなWebアプリケーションを使っていたけれど,面倒じゃなかっただろうか.「Webを素晴らしいものにする」なんて気持ちは,個人の「ただ楽しく使いたい」という気持ちに比べたら小さいものなのかもしれない.

これを機に考えてみよう.今,頻繁に利用しているWebアプリケーションの中で,実は面倒な手順を踏んでいるようなもの.みんなで協力して使えば確かに全体としては賢くなるけれども,自分用だと割り切って使えばもっと気軽に楽しく使えるもの.その辺りに楽しい発見がありそうだ.「はてなスター」も既存の概念で説明が付かないところとか,可能性を感じさせてくれる.

しかしtumblrの「Reblog」だけは本当に設計思想が分からないなあ.なんでそんなものを考え付いたんだ.すごいぜtumblr!ボクが今,最も楽しく利用しているサービスがtumblrです.

更新情報知らせます はい 不要