家庭用品のウィリアムズ・ソノマ社が自動パン焼き機を発売したとき、売れ行きは鈍かった。同社がそれよりも50%以上高価な「デラックス」版製品を新たに発売すると、最初のパン焼き機が飛ぶように売れ始めた。割安に見えだしたからだ。
25ドルのペンを購入しようと考える際、調査対象者の大多数が、7ドル安い店があれば車で15分かけても安い方を買いに行く。ところが、455ドルのスーツを購入する場合なら、対象者の大多数は、7ドル安くなるからといって車で15分離れた他の店に行こうとはしない。節約できる金額とそれに必要な時間は同じなのに、人々はまったく違う選択をする。