iCloudは、「Calendar」「Mail」「Contacts」などのアプリケーションの新版がサポートし、ある連絡先の情報が変更されると、その新しいデータがAppleのサーバへと送信され、その後、他の端末へと配信されるようになる。クラウドによるバックアップがこのサービスのもう1つの特徴で、「iOS」搭載端末のバックアップを毎日ワイヤレスで実施するといった機能がある。開発者向けに提供される予定の新しいインターフェースを介して、サードパーティーアプリケーションからもドキュメントをクラウドに保存することができる。すべてのユーザーに対し、電子メール、ドキュメント、バックアップ用としてAppleのサーバに5Gバイトのストレージが無償提供される。ただし、購入した音楽や書籍は、5Gバイトというこの制限に含まれない。
一方、音楽には特殊な制約が課されている。「iTunesで」購入した音楽のみを、クラウドに転送したり他の端末と共有したりすることができるとAppleは述べている。これについては以前から報じられているが、この制限によってiCloudは、合法的に購入したCDから数Gバイトもの音楽をコンピュータに転送している音楽愛好者らを十分に取り込むことはできないかもしれない。
これに対するAppleの回答が、「iTunes Match」である。ユーザーはこのサービスを利用することによって、年間24.99ドルでCDからリッピングした音楽を含む自分の「コレクション全体」をiCloudサーバに保存することができる。このサービスは、コレクション内の楽曲を分析し、「iTunes Store」の1800万曲の楽曲と比較し、iTunes Storeに存在するものは、元の品質がそれ以下であっても直ちに256kbpsで提供する。