70カ国以上が承認したアストラゼネカ製のワクチンは、ウイルスに対して有効性が高いことが示されているが、トラブルの話題にはこと欠かないようだ。欧州の主要国(ドイツ、フランス、イタリア、スペインなど)では、アストラゼネカ製ワクチンの接種後に血栓のリスク増加が認められたという報告が出されており、安全性が確かめられるまでワクチンの接種を一時的に停止する旨が発表されている。
なお、ドイツではこれまでに血栓の報告が31件あったことから、ワクチンの使用を60歳以上に限定すると発表された。この31件のうち29件は20歳から63歳までの女性で、患者のうち9人が死亡したという。
アストラゼネカによると、EUの27カ国と英国でワクチンを接種した1,700万人以上のうち血栓の報告が37件あったという。しかし、同社のワクチンが血栓のリスクを増加させるという証拠はないというのが、同社の見解だ。実際に血栓の発生率はこの規模の一般集団で自然発生する推定値よりもはるかに低く、それは認可されているほかの新型コロナウイルスワクチンと同等だという。