『手を切断されたベルギー人の子供』
 
神様、わたしにはもう手がありません。いじわるなドイツの兵隊に切られたのです。
 
ドイツの兵隊は、ベルギーやフランスの子供には手は必要ないと言いました。

ドイツの子供だけが手を持てるというのです。
 
私の手は切り落とされてしまいました。とても痛かったです。

でも、ドイツの兵隊は笑っていました。

ドイツの子供でない限り、痛みを感じるはずが無いというのです。
 
神様、それ以来ママは気が変になってしまいました。

パパもドイツ兵につれて行かれてしまいました。パパからは手紙も来ません。

きっと銃で撃たれて殺されてしまったのでしょう……。

このエピソードが発表されるやいなや、アメリカの中立主義は揺らぎはじめ、

欧州戦争介入に向けて世論が動き始めていく。

戦後アメリカの大富豪がこの不幸な子供にあって話をしたいと、使者をベルギーに派遣した。
ところが、誰一人として実際の被害者を見つけることが出来なかった。
それはフランスのプロパガンダだったのである。

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