精神分析医がさるパーティーで上品な婦人と知り合った。
婦人は彼の専門分野について質問した。
「外から見て全く正常な病人の場合、どうやって精神障害を発見しますの?」
「簡単です」と医師は答えた。
「誰でも判る質問するのです。答えるのにためらったら、それがもう最初の手がかりになります」
「例えばどんな質問を?」
「そうですね、『キャプテン・クックは世界周航を3回なしとげ、そのどれかのうちに死んだ。何回目の時でしょう?』といった質問です」
婦人は一瞬考えた後、神経質な笑い声を立てて言った。
「別の例を挙げていただけません? わたくし、歴史にはあまり詳しくないもので・・・」