・最近の研究によれば、日常的な数学ができない人は、健康対策から不動産売買まで、あらゆる面で下手な判断や、後悔しそうな決定をしがちである。それだけでなく、数字に弱い人は、むき出しの感情に支配されて判断を誤ることが多いようだ。
・たとえば人は、肉の赤身が75パーセントと表示されたときのほうが、脂身25パーセントと表示されたときより、ハンバーガーをおいしく、脂っぽさが少ないと感じる。これは本当だ。実験室で証明されているので、日常の数学音痴を示す好例と言える。
・一部に被験者には、「このジョーンズ氏のような」患者の100人に10人が暴力行為に及ぶ可能性があると伝え、もう一方のグループには10パーセントの患者がそうなる可能性があると伝える。はたしてその結果は? 数字に弱い人は、パーセンテージよりも具体的な数(100人に10人)を示されたときのほうが、はるかに大きな不安を感じた。
・あるデータをパーセンテージで表現するだけで、不安が減ってしまうらしい――少なくとも数字にあまり強くない人たちにとっては。事実、抽象的なパーセンテージは害が少ないイメージを呼び起こす一方、具体的な数字は恐ろしいイメージを喚起することが、多くの研究で実証されている。