・辛み抜群のチリペッパーにかぶりつくと、われわれの体は危険や痛みに対応するとき役立つような一連の化学物質を作りだす。こうして最初に経験する「カッとする」ような感覚は、アドレナリンによるものだ。この感覚が薄れると、次に出てくるのはエンドルフィン。これは痛みの感覚を麻痺させるために体が作り出す物質である。けれども、唐辛子は実際には熱の幻覚を作り出しているにすぎない。化学物質Pという物質(体内の痛みを伝達する物質)で神経末端を充血させているだけなのだ。エンドルフィンが痛みを麻痺させようにも本物の痛みはないのだから、われわれは半分ドラッグもどきの恍惚感を体験する。

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