アクソンという会社名は初耳でも、同社の革新的な商品「テイザー」を知っている人は多いだろう。この商品は、米国の多くの法執行機関で採用されている。先端に針がついたワイヤーを被疑者に向けて発射し、ワイヤーを通じて高電圧電流を流すことにより、標的に電気ショックを与えて制圧するスタンガンの一種だ。同社は、警察官が実弾を発射せずに済む時代をつくることを、自社の使命と位置づけている。
このカテゴリーの商品がはじめて登場したのは、1974年のことだった。NASA(米国航空宇宙局)の元研究員であるジャック・カバーという人物が発明したのである。
カバーはアクソンの前身となる会社を設立し、法執行機関向けに商品を販売し始めたが、大ヒットにはならなかった。同社が画期的な製品「TASER・M26」を売り出したのは1998年。そのとき、同社はハンス・マレロという元海兵隊員を雇い、この新製品の使い方を実演させ、セールスもさせた。
2004年の時点で、同社の売上げは6000万ドルに達していた。