スモークサーモンは、調理された魚ではない。燻製という方法で保存処理されたものだ。魚をおろしたら、塩で覆う。こうすると、水分の約10%を取り除ける。さらにそれを魚専用の冷蔵庫に12時間入れ、塩を洗い落とし、燻製器の中に糸で吊るす。
燻製器の底には燃えさしを入れておく。それが半日ほどかけてゆっくりと樫の木のおがくずをくすぶらせていく。始めは夜中に燻製していたが、燃えさしが消えていないかときどき起きてチェックする必要があるので、いまでは昼に燻製している。この冷燻製という方法では火をまったく使わない。魚に風味づけをするだけだ。