開発を始めた19年当時の最安値は1980円でした。お客さんもイヤホンのような電子機器はアマゾンで価格比較をする人が多いので、ここよりも低価格を実現することで「アマゾンですらこの価格なのに」と思ってもらえるからです。
でも、安いイヤホンは音質が悪い。今回は五、六千円の初心者モデルくらいの音質を目指しました。香港に何度か出張し、安くて高品質な部品を製造できる現地メーカーを探して「うちなら数が売れるから作ってほしい」と口説きました。大手メーカーは高い品質の商品を高い値段で売りたいけれど、うちは「価格に対しての驚きが絶対に必要」という発想です。実際は2500円の価値があると思いますが、ギリギリの値段(1650円)でやらせてもらっています。ブランド価値の低下を嫌う大手には手を付けられない価格帯で、向こうはうちをうっとうしく思っているのでは。