宇宙空間では、体液が排出されない。そのせいで宇宙飛行士たちの顔は赤くむくみ、うっ血や耳が詰まったような感覚を訴える。もっとひどい症状もある。国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した宇宙飛行士の4割が、眼に何らかの損傷を受けているのだ。視神経乳頭浮腫[編註:視神経が網膜につながる視神経乳頭が、頭蓋内圧が高まることによって腫れる症状]、眼球の変形、脈絡膜のしわ寄り、網膜と強膜[「白目」部分]の間にある層の出血といった症状も見られた。米航空宇宙局(NASA)は、「宇宙飛行に伴う視神経症候群」の原因は、頭蓋内圧の亢進ではないかと考えている。