アップルは2019年初めに、アップルペイを有効にしたスマートフォンが世界で3億8300万台に達したことを盛大に発表したが、その時点で実際にアップルペイを使用したことのある米国のiPhone所有者はわずか24%だった。そして、アップルペイはこの年にようやく、スターバックスのモバイルアプリ(同店でしか使えない)を抜いて、米国で最も使用されるモバイル決済アプリになったのである。

 ウィーチャットペイの市場浸透率はスマートフォンユーザーの84%に達した(ウィーチャットペイは、月間12億人のアクティブユーザーを誇る騰訊(テンセント)のスーパーアプリ、ウィーチャットのユーザーが利用できる)。この浸透率を見れば、2018年にウィーチャットペイの取引件数が1日に12億件だったのに対し、アップルペイが1カ月で10億件だったことも説明がつく。そしてこれが、中国の2019年のモバイルアプリ経由の総支出額(347兆元、約54兆ドル相当)が米国(980億ドル)の551倍に達した理由である。

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