12.9インチ版iPad Proの液晶ディスプレイには、最近のテレビにも搭載されているミニLEDバックライトが採用されている。
ミニLEDはその名が示す通り、何千個もの小型LEDを使って液晶画面の光を生み出す。ひとつのパネル(もしくはいくつか区分けして配置されたパネル)で全画面を照らす方式と比べて、より焦点が絞られることが特徴だ。
このミニLEDによって新型iPad Proのコントラスト比と黒の表示能力は向上し、画面もより明るくなった(フルスクリーンの最大輝度は1,000ニトで、HDRでのピーク輝度は1,600ニトにもなる)。新型iPad Proには10,000個以上のLEDが使用されているとアップルは説明しているが、20年モデルには72個だったことを考えると驚異の飛躍と言えるだろう。
この新しい技術のおかげで、新型iPad ProのミニLEDは2,596のローカルディミングゾーンに区分され、必要な場所に応じてより細かく適切な輝度がコントロールされるようになった。従来の液晶バックライトディスプレイでは画面の縁に沿ってバックライトが漏れるという問題があったが、そうした点も解消されている。なお、11インチのiPad ProのLiquid RetinaディスプレイにはミニLEDが使われていない。