・なぜこんなに「量刑」が軽いのか? それは現行刑法が作られたのが明治40年(1907年)だからだ。百年前の日本と現代の日本では何が最も違うか――平均寿命である。
・人が亡くなる平均年齢は50歳くらいだった。つまり寿命を50年と考えると、「懲役15年」というのは決して軽くない「刑」だった。30歳の男が人を殺して「懲役15年」の刑期を務め上げた後の釈放されても、彼の残りの人生はもうほとんど残っていないという状況だった。
・「人の命を奪う」ということは、その人の人生の残り時間を奪うということである。つまり殺人の罪は百年前よりも重くなったと言えないだろうか。