二人といえばフリッパーズ・ギターの話もしよう。二人でなんとなく決まっていたのはリードボーカルは小山田が歌う。歌詞とかタイトルは僕が作る。そのくらいのことで、あとは混然としていた。二人の共同の名前でクレジットしたが、作曲では、僕が一人でしたのは「フレンズ・アゲイン」「恋とマシンガン」「カメラ!カメラ!カメラ!」「全ての言葉はさようなら」小山田一人なのが「ヘアカット100」「偶然のナイフ・エッジ・カレス」「ビッグ・バンド・ビンゴ」「午前3時のオプ」「ラテンでレッツ・ラブ」あと、「ラブ・トレイン」「パパ・ボーイ」ってのもあった。(中略)で、二人でいれば混然としていられるのだが、人目にさらされるとそうはいかない。二人っていうくらい、微妙な関係はない。それは他の誰かが「あいつこう言ってたよ」というだけで余裕でグラつく関係じゃないかと思う。そして二人でいる人たちにすかさず貼られるレッテルー「仲が悪い」。オーケー。世の中のすべての二人組を代表して言っておこう。「お前らに言われる筋合いはない」以上。(小沢健二、オリーブ連載「Doowachalike」75回 無色の混沌)