「ピクサーがルーカスフィルムからスピンアウトされたとき、スティーブは、ハードウェア会社を買ったつもりだったのです。あのころ我々は、ハイエンドの画像処理コンピューターを開発していました。アニメーションは、その技術を見てもらうためのものにすぎなかったのです。でも、ハードウェア部門は1991年に閉鎖となりました」
ピクサーの歴史をかいま見たのはこのときが初めてだった。スティーブとの話は、過去より未来が中心だったからだ。
「ストーリーを語る会社など、スティーブは欲しくなかったんですよ。だから、ずっとあらがっています。そんな彼からストーリーやアニメーションにお金を出してもらうのですから、ちょっとやそっとではどうにもなりません」