対藤井戦の先手番3局では、豊島はすべて相掛かりを採用しているのだ。豊島は相掛かりの採用率は低く、三段時代の新人王戦や千日手、持将棋の指し直しも含め、手元のデータベースには790局近いデータがあるが、先手で相掛かりにしたのは8局しかない。そして、その内の3局が藤井戦なのだ。「8分の3」は偶然で片付けていい数字ではない。明らかに対藤井用の作戦だ。
また、後手でも作戦を変えている。2020年9月のJT日本シリーズでは、豊島は横歩取りを9ヶ月ぶりに採用したのだ。豊島はその後現在までで2局しか採用していない。