乗り物酔いの際には皮膚の毛細血管が拡張し、皮膚の表面近くに血液が多く流れ込んで皮膚から放出される熱量が増加するため、核心温度が低下します。さらにこのプロセスと同時に発汗も亢進されるため、相乗効果でさらに核心温度は下がります。
乗り物酔いで核心温度が低下した場合、中枢神経系、特に体温を調節する脳の視床下部が体温の低下を抑えようとして活性化します。そのため、吐き気や乗り物酔いを起こした人は、核心温度が低下しているにもかかわらず、暑く感じたり、顔が赤くなったりするとのこと。
実際に吐き気を生み出すのは核心温度の低下を打ち消そうとして活性化する視床下部にあるとのこと。そのため冷たい空気を吸ったり首の後ろを冷やしたりすると、体温を上げようとして活性化している視床下部の働きが落ち着き、吐き気が和らぐそうです。