「人間は、死を知る唯一の生物である。生物はすべて老いるが、人間以外の生物は、その生物にとっては永遠のように見えているに違いない瞬間だけに限定された意識を持って老いる」のであり、自分はいずれ死ぬという、人間だけが持つ知識ゆえに、「死に直面して、本質的に人間だけのものである怖れ」が、おのずと立ち現れるのである、と。そして、シュペングラーはこう結論づけた。「すべての宗教、すべての科学研究、すべての哲学は、その怖れに由来する」。

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