「描きたいものと描けるものは違う」と。やっぱり、作家が「これを描きたい」というだけだと、作家自身が自分の中に何があるか分かってないまま描いている場合が多いんだよね。

 作家が描きたいものを描いている時は、たいてい何かのコピーであって、作家の中にあるオリジナリティではない。だけど編集者が作家と付き合っているうちに「待てよ、この人はこんなにおもしろい話をしているのに、なぜこれを描かないんだろう」と気づいたりね。そうするとやっぱり、描けるものを描いてもらった時のほうが読者の反応もいい。

 だからやっぱり編集みたいな立場の人間がそばにいないと、他者の目が入らないから物事が立体的に見えないし、描けるものも出てこないんじゃないかな。

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