怖いのはカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症だ。この感染症は、イヌやネコに噛まれたり引っ掻かれたりして発症し、重症化すると敗血症になって死亡する例もある(感染した人が亡くなる致死率は約30%)。
最後の猫ひっかき病は噛まれても感染するが、報告され始めた頃は原因病原体がわからなかった。1990年代になって、ようやくバルトネラ・ヘンセレというグラム陰性桿菌によるものと判明した感染症だ。
また、これら以外の細菌やウイルスにも要注意だ。黄色ブドウ球菌や緑膿菌といった普段は悪さをしない常在菌が、免疫力が下がっていると日和見感染症になって危険になる。人獣共通感染症と共通するのは、糖尿病、免疫不全、高齢といった免疫力の低い人の発症リスクが大きくなる点だ。