足立:アニメは、監督をはじめ、プロデューサーさんやいろいろなスタッフさんと一緒に作っていくものだと思いますが、そういう方のアイデアを虚淵さんは受け入れますか? それとも、自分の脚本をしっかり作り込むほうですか?
虚淵:基本的に、作品が面白くなるなら、そのアイデアはいただきますね。作品のテーマ性や整合性に影響するようなアイデアだったら、まずは考えますけど。基本的に、そういうアイデアを入れやすいように、物語上どうしても変えちゃいけない部分は、なるべく最低限、最小限に絞り込んでおくようにしています。そうしないと、作品が面白く化けていかないので。物語上ズラしてはいけない場所をどれだけシンプルに作るか。それがアニメの脚本では大切ですね。そういう、物語上で大事な部分が込み入って複雑だったり、絶対に曲げたくないテーマみたいなものがあるなら、小説にすればよい、と思いますね。