通信機器業界の巨人、華為(ファーウェイ)もはじまりは地方だった。1990年代初めにネットワークスイッチを販売していた創業間もないファーウェイは、既存の多国籍企業のアルカテルやルーセント、ノーテルネットワークスとの厳しい競争にさらされた。創業者のレン・ジェンフェイはこれらの巨大企業を相手に勝ち目はないと見て、彼らを避けるために、低所得で接触しにくいニッチ市場にターゲットを絞った。営業部隊を地方の村に送り込み、農村部の市場を占有した上で、都市部に進出し、ついに中国全土を制したのだ。1993年には中国市場に君臨し、いまや世界最大の通信会社の一つになった。