「藤井さんが強いから勝てた」
――
自分は事前にAIを駆使して、雁木戦法の手順を相当先まで掘り下げて臨んだ。実際の対局でも、藤井さんはAI通りの最善手を指し続けてきた。途中、藤井さんの想定を外すべく過去に指されたことがない手を指したが、それでも藤井さんはそこから30手ほど、事前研究でAIが示した最善手と同じ手を指し続けた。ただ、その間に持ち時間が少なくなった藤井さんに生まれた隙を突くことができた。もしも藤井さんが2番手、3番手の手を指したり、相手の想定を外すためにあえて最善手ではない手を指したりされていたら、自分は正しく対応できなかったかもしれない。
――