現金が使えるセルフレジを新たに導入しようとしたところ、キャッシュレスのセルフレジやスマホアプリの開発を任せてきた企業では対応できないことが分かった。新たに現金対応のセルフレジだけを開発すると、複数のシステムから並行して注文が入ることになってしまい、調理現場に混乱を招く恐れがある。注文情報を円滑に伝達するためにはスマホアプリとセルフレジの両方を1社に任せた方がいいという方針に傾いた。結局、現金対応のセルフレジの開発を新たな企業に委託し、その企業がスマホアプリの改修も請け負うことになった。
その結果、ブルースターは会員の情報や注文履歴のデータを引き継げなくなった。一度アプリをインストールしていた会員たちも、インストールし直してクレジットカードなどを再登録する必要が出てしまった。つかみかけた常連客の離反を招いた上に、会員にプッシュ通知でクーポンを届けるといった再来店を促す施策も採れなくなった。新たに委託した企業は、現金を取り扱うシステムの開発は得意でも、スマホアプリの開発は不慣れ。「ブルースターの新しい注文アプリは使い勝手が悪くなった」と外食関係者の間で話題になるほどだった。