この1年半ほど続いてきたインフレは、供給サイドと需要サイドの両方に原因がある可能性が高い。供給サイドでは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる物流の停滞と労働力不足が起きていたところに、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー・食料価格の急上昇が追い打ちをかけた。エネルギーコストと物流コストの上昇により、多くの商品やサービスの価格が想定外に跳ね上がり、その影響は経済全体に波及した。
一方、需要サイドでは、多くの国の政府がコロナ禍に莫大な資金を家計と企業に注入したことの影響が大きい。家計と企業がロックダウン(都市封鎖)とレイオフに対処するのを助けることが目的だった。この措置により、マネーサプライが増加し、インフレが助長されている可能性がある。