学生時代から好きで、唯一全集を持っている夏目漱石を、今また読み返している。
「学生時代は『こころ』『明暗』と暗くて深いものが好きだったけれど、おもしろいと思えるところが今は全然違う。『草枕』なんてそのいい例で、何も起きないし、ドラマも何もない。峠のほうに旅にいって、宿屋に泊まったって話で、一枚の山水画のようで、でもそれがいい」
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学生時代から好きで、唯一全集を持っている夏目漱石を、今また読み返している。
「学生時代は『こころ』『明暗』と暗くて深いものが好きだったけれど、おもしろいと思えるところが今は全然違う。『草枕』なんてそのいい例で、何も起きないし、ドラマも何もない。峠のほうに旅にいって、宿屋に泊まったって話で、一枚の山水画のようで、でもそれがいい」