ある小売業者は、自社サイト内のさまざまな場所でクロスセルやアップセルを展開する「商品おすすめシステム」を構築した。
そのアルゴリズムは、「買い物かごに入れる」率とコンバージョン率の最適化を意図していた。
しかし、すべての商品と在庫を含めて考えると、実際におすすめされた商品は棚卸評価額の約12%にすぎなかったのだ。
そのおすすめアルゴリズムは、ベストセラー商品を薦めることに注力していた。しかし、ベストセラー商品はいずれにしろ売り切れるが、仕入れ過剰品や新商品などの売れにくい商品は、おすすめしにくくなっていた。
おすすめ機能を最適化するために使われた尺度は、セルスルー(小売店で消費者に販売すること)や粗利益、在庫効率といった業績目標と一致していなかったのだ。