カッコウが今托卵しているのは、オナガの他にオオヨシキリ、モズなどですが、モズもオオヨシキリも卵には綿模様がありませんし、やはり綿模様の多いカッコウの卵を嫌っています。

ではなぜ現在不利な綿模様を持つカッコウの卵がこんなにたくさんあるのか、非常に不思議です。

そこで江戸時代の文献を調べてみました。すると、その頃本州中部のカッコウは、ホオジロに托卵していたと書かれているんです。ホオジロの卵は綿模様が非常に目立つ卵です。実際、その頃ホオジロに托卵していたカッコウの卵を見ると、ホオジロにそっくりのカッコウの卵がたくさんあります。

ホオジロの巣の中にその似せてつくった卵を入れると、ほとんど30分以内に放り出されてしまいます。

かつてホオジロはさんざんカッコウに托卵されていて、その時代にカッコウはホオジロの卵そっくりの卵を産む段階にまで達したんです。

ところが、ホオジロのほうが高い卵識別能力を獲得したために、カッコウは托卵できなくなってしまい、オオヨシキリとかモズとかに相手を乗り換えたわけです。

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