20世紀半ば、米空軍は墜落事故の多発に悩まされていた。ある1日だけで17件の事故があった。調査を行い、コックピットに原因があることがわかった。1920年に設計されたコックピットは、1950年代のパイロットには窮屈で使いにくかったのである。
設計見直しプロジェクトではまず、パイロット4000人を対象に、関連する10カ所の寸法を測定し、すべての平均値を割り出した。しかし、完全に平均的な体格のパイロットは存在しないため、誰のためにもならない。
すると空軍は、座席からフットペダル、ヘルメットストラップまで、あらゆるものを調節可能にしたのである。
この解決策は目を見張る成果があった。パイロットのパフォーマンスは急激に向上した。女性を含むより多くの体格のパイロットに対応できるようになったため、パイロットの多様性が高まり、才能あるパイロットが増加した。