売り手と買い手の取引をつなぐ役割を果たしてきたプラットフォーム企業は、この2者がプラットフォーム外で直接取引する「中抜き」を防ぐために、いつも苦心している。
こうした中抜きの例としては、人材プラットフォームなどで知り合った企業とフリーランサーが、これらのプラットフォームを介さず直接仕事を依頼し、契約したりすることが挙げられる。
最初の取引を実現してもらったからといって、2回目、3回目、そしてそれ以降の取引でも、当然のようにかなりの手数料を取られるのは納得がいかない。
「レーキ」とは、取引を円滑化するためにプラットフォームがユーザーに課す手数料のことだ。これが高いほど、ユーザーはそのプラットフォームを避けようとする。グルーポンの50%近いレーキは、同社の株価急落の一因となった。
「リスク」とは、取引が失敗する危険性のことだ。あるプロジェクトにリスクがある場合、買い手も売り手も、評価システムや保険、仲裁サービスがあるプラットフォームのほうがメリットがあると感じるだろう。ウーバーでは、乗車した利用者が車内で嘔吐した場合、利用者に責任を負わせて、ドライバーの負担を軽くするようにしている。
「スキル」とは、タスクを実行するために必要な専門知識や技術のレベルのことだ。大してスキルを要しない仕事やサービスが取引される場合、買い手が最も注目するポイントは価格になる。そのため、サービス提供者が大勢いるプラットフォームのほうが、最も望ましい取引を実現しやすい。
ただし、高いスキルを要する仕事やサービスが取引される場合、プラットフォームが価値を提供できるのは、評価システムが非常に重要な役割を果たす1回目の取引だけであることが多い。ひとたび信頼できるサービス提供者を見つけたら、それ以降の取引では仲介者であるプラットフォームは排除されがちだ。
たとえば、ロケット・ローヤーは、法律問題を解決したいユーザーを専門分野の弁護士と結びつけてくれる。だが、信頼できる弁護士が見つかると、もはやそのプラットフォームは介在する必要がない。