ほとんどの人は、暇すぎるより忙しすぎるほうを好む。なぜなら、働いていない時より、働いている時のほうが自分という人間に価値を感じるからだ。仕事は、単に忙しく過ごす手段でなく、自分が価値ある人間だと、ほかの人たちや自分自身に証明する手段でもあるのだ。
暇な時間を過ごしていると、自身の能力への疑念、不安、孤独、悲しみ、空虚感などが湧き上がってくる時があるが、仕事に没頭することで、そうした感情を遠ざけておくことができる。私たちには、退屈を恐れる性質がある。たとえその仕事に特別な喜びや情熱を抱いていなくても、仕事から離れるよりも仕事に打ち込むことで、不安を感じずに済むケースが多い。