その人がどこに所属しているかではなく、キーマンは誰かというほうが大事だった。そうした技術を持った方々を社員として呼ぼうなどとも考えてはいませんでした。
たとえば、グラフィックスの話で言えば、東芝の半導体研究部門にいた大橋正秀さんたちのチームがすごくて、とにかく一緒にやろうと話をしました。それがうまくいったから、チップの製造は東芝の工場を使わせていただこうとなっただけです。
IBMと組んで、高性能CPUチップの「セル」をつくることになったのも、IBMワトソン研究所にいる研究者たちがずば抜けていたからです。最初から、ソニーとIBMとが会社として提携する必要はありませんでした。