給仕長のジュゼッペ・パルミエーリは注文を取る際、2人の男の子たちが少々浮かない顔をしているのに気づいた。年下のほうに「君は何を食べたいの?」と尋ねると、彼は「ピザ!」と答えた。
オステリア・フランチェスカーナは、ピザを提供するようなレストランではない。しかし、パルミエーリはテーブルを離れると、躊躇なく、街で一番のピザ店に電話をかけた。間もなくタクシーでピザが届くと、パルミエーリはそれをテーブルへと運んだ。
多くの高級レストランでは、このような対応は考えられない。だが2人の子どもと両親は、パルミエーリの親切な行為を一生忘れないだろう。パルミエーリは私にこう語った。「必要だったのは、いつものやり方を変えてみること、そして1枚のピザ。ただそれだけです」