カルビーはスナック菓子で圧倒的なトップシェアを持つ会社ですが、私がCEOに就任した当初は、2番手企業よりも製造コストが高かった。工場が多くて、稼働率が低かったからです。そのため固定費が高く、利益率が低かった。だったら稼働率を上げればいい。

 稼働率を上げるために工場を閉めるという選択肢もありますが、日本の労働環境では難しいし、僕は人を切るのは苦手。そうすると稼働率を上げるには、たくさん作って、たくさん売るしかない。当時のカルビーはトップメーカーではありましたが、伸び悩んでいました。シェアを落としている商品もありました。ブランド力は高いのですが、値段が高かったからです。デフレの時代にそれでは売れないので、まず変動費を下げて、それを原資に競合商品との価格差を解消しました。

 そうすると、お客さまが帰ってきて、シェアが上がった。シェアが上がると工場の稼働率が上がり、利益率も高まった。言葉にすると、実にそれだけのことなのです。

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