詞が先にあって歌ができるのですか、それとも曲が先ですか、という質問を受けることがある。ぼくは両方である。はっぴいえんどはほとんど詞が先で、詞を書くのに苦労した記憶はない。作曲の担当者が、曲作りに苦労したこともそれほどなかったはずだ。ぼくの詞にメロディをつけるということに関しては、みんな才能の塊のような人たちだった。細野さんも大滝さんも、松本の詞は曲をつけやすいとよく言っていた。イメージが広がるから先に詞をくれと言われた。

 はっぴいえんど解散後の大滝さんは、自分で歌うものに関しては曲が先だった。そうじゃないと、松本色が強く出過ぎるから、と。バンドの解散の遠因はそこにあると思っている。ぼくが書く詞が強くなり過ぎた。大滝さんの曲で松田聖子や森進一に提供した歌は詞が先で、そのほうが世界が膨らむと言っていた。

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